多汗症について

多汗症について

多汗症は、わき、手の平、足の裏、、頭部(額)に精神的ストレスやまたそれらに以外の原因においても大量の発汗がおこり、日常生活に支障をきたす状態を多汗症と定義しています。多汗症の原因は、体温、精神ストレス、ホルモンバラン等の様々な要因により交感神経が活発になり、エクリン腺から多量の汗が分泌されます。
日常生活において、体温の上昇や緊張やストレスを感じると交感神経が活発になりわきや手足に汗をかくことはありますが、多汗症の場合は、汗の量が多くなります。わきや手が湿っている程度、水滴ができる状態、汗が滴り落ちる状態など症状にも差があります。

多汗症には全身に汗をかく全身多汗症と、身体の一部に汗をかく局所性多汗症があります。全身多汗症は神経系や内分泌疾患、薬剤性に見られます。局所性多汗症は、わき、手の平、足の裏など身体の一部に汗をかきます。主に自律神経が通常より活発になることで起こります。

多汗症

腋窩多汗症

腋窩多汗症は精神ストレスの発汗と体温による発汗の共存する特殊な環境で起こります。左右対称にわきに多くの汗が見られ、下着やシャツにしみができる程です.掌蹠多汗を伴っていることもあります。

掌蹠多汗症

幼少児期や思春期頃に発症し、手の平,足の裏に精神的緊張やストレスにより多量の発汗を認める状態です。症状の重い方ではしたたり落ちる程の汗がみられ、手,足は絶えず湿っています。 指先が冷たいときもあり、これは発汗だけでなく、血管運動神経活動も活発になるためと考えられています。症状が軽い方では手の平,足の裏が正常人と同様に乾いている時もありますが、精神的緊張などに一時的に多量の発汗が見られます。
発汗は昼間(10 時~18 時)に多く、睡眠中の発汗は見られません。日常生活では書類に汗じみができたり、握手をすると相手に不快感を与えたりすること、パソコンや携帯電話など電気機器の操作など社会的苦痛を感じている方が多くいらっしゃいます。

他の多汗症

頭部多汗症、顔面多汗症、胸部多汗症、背中多汗症、臀部多汗症

統計

原発性多汗症は、わき、手の平、足の裏,腋窩の特定の部位から両側に多量の発汗を認める状態です。その疫学・統計についての報告では、イスラエルで手掌多汗症が0.6%から1%であるというものからアメリカ合衆国で2.8%、また2007 年に中国で4.36%とその報告は様々です。
そのなかでもアメリカの全国的な疫学的調査は一番大規模なもので、合衆国全人口のうち2.8%が原発性多汗症であり、さらにそのうちの50.8%(全人口の1.4%)にあたる人が重症の腋窩多汗症であるされています。平均年齢は40歳、平均発症年齢は25 歳、年齢別罹患率では25~64 歳までの年代にピークがあり、12 歳以下の罹患率が一番 低くなっています。その中でも腋窩多汗症に限っては平均年齢 37 歳、平均発症年齢 22 歳、18~54 歳にピークがあり、12 歳以下の罹患率が一番低いとされています。

局所多汗症の診断

日常生活に影響する発汗を生じる状態が原発性局所多汗症です。基礎疾患がなく、過剰に局所の発汗が6ヶ月以上持続していることに加えて、下記の6つの症状のうち2項目を満たしたり、家族の話、発汗検査などにより多汗症と診断されます。

  • 最初に症状がでるのが 25 歳以下であること
  • 対称性に発汗がみられること
  • 睡眠中は発汗が止まっていること
  • 1 週間に1回以上多汗のエピソードがあること
  • 家族歴がみられること
  • それらによって日常生活に支障をきたすこと

治療法

わきが・多汗症治療の選び方

多汗症の治療法は「注射」、「機器」、「手術」の治療があります。手術による「シェービング法(イナバ式)」の治療は、皮膚の切開を行い、わきがのニオイの原因となるアポクリン腺や汗の量に関係するエクリン汗腺を直接取り除くことができる方法です。しかし手術による治療は、治療後しばらく日常生活に制限が必要なことや傷跡の残りがあります。
注射は「発汗抑制注射」による治療があります。手軽な治療ですが、汗の量に関係するエクリン汗腺のみに作用するためニオイへの効果が弱いことや数カ月からワンシーズンで効果が切れてしまうため定期的に治療を行うことが必要になります。
近年は、機器によるわきが・多汗症治療を多く行っています。手術のように100%の汗腺を取り除くことはできませんが、フラクショナルRF(高周波)や超音波により汗腺を破壊します。これまでの手術によるダウンタイムや繰り返し治療が必要な注射によるデメリットを補い、効率的な効果と長期間にニオイや汗を抑えます。ほとんどの方が通常1回の治療でニオイや汗が気にならなくなります。

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